2015.06.06. 柴又100K~東京⇔埼玉⇔茨城の道~ 参戦記

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 今年で第三回のこの大会には第一回から連続出場している。まだ第三回だが、地元東京で開催されるウルトラマラソンなので応援したいし、何年か後には‥連続出場で表彰されるのでは?なんて下心もあるのだが。

  (#^.^#)


 ただ、大きな問題もある。それは“サロマ湖100kmウルトラマラソン”が6月末に開催されていること。“柴又100K”の大会関係者の方々や、この大会を応援・サポートして下さっている方々、またこの大会と真摯に向き合い熱い思いを持っているランナーの方々などには大変申し訳ないのだが、ワタクシは“サロマ湖100km”の方をより重視している。

 そのため、“サロマ”の3週間ほど前に開催されるこの“柴又”は“サロマ湖”に向けての実践練習として利用し、トレーニング期間も含めて極端に消耗しないように臨んでるのが実態なのだ。

 大会としての位置付けはこんな感じだが、レース当日はその段階でのベストを尽くしたいと思っていたのだが、どんなレースだったかを振り返ると‥

【レース】

 スタート時は霧雨がサラサラとしていて肌寒かったが、大したことは無かった。予報では朝のうちに雨は上がり日中は晴れるが、昨年のように気温が30℃を超えることは無いとのこと。そこでウェアーは‥キャップ、半袖シャツ、ランニングパンツにして、用意していたサングラス、ヒンヤリ効果のアームカバー、日除けのネックガードは使わなかった。

 号砲が鳴ってスタートすると懸念していた左アキレス腱に痛みに近い違和感。いつものことなので気にしなかったが絶好のコンディションでないことは確かだった。

 周囲の選手の流れに乗って走り出したがややペースが速かった。それでも脚が軽かったので気にせずに、フォームを確認しながら脚を回し続けた。100kmの「冒険ラン」の幕が切って落とされたのだ。

 コースのほとんどが江戸川の河川敷と堤防の上。そこを何か所かスロープで登ったり下りたりするのだが、さっそく事件発生!

 ナンと、誘導係がいながら河川敷から堤防へ上るところで先頭集団が直進してしまったのだ!ワタクシも前の選手に続いて直進してコースアウト!60mぐらい(?)進んだところで自転車に乗った大会スタッフが

「ランナー上ですヨ!」

っと叫んでいるのに気が付いたのだ!?

 周囲の選手も面喰いながら、土手の芝を上って堤防上のコースへ向かった。そして、何人かで前を行く選手に向かって

「上ですヨ~!」

っと口々に叫んだのだが、先頭グループは気付かずに直進してしまった。

 コースミスは選手の責任だろうが、ふり返って誘導係のスタッフを見ると手には誘導用の棒を持っているのに両手で持ってただ立っているだけだった。不慣れなボランティアなので仕方無いのだろうが‥その後コースは河川敷へと下りるのだが、そこではZ字状にUターンを2回するので河川敷を直進した選手たちは明らかにショートカットすることになる。公認コースなのに‥

 

 いつしか雨は止んでいた。風が強く吹き付けて来て向かい風になることもあったがウルトラのペースではあまり気にならない。日が射すようになってくるとサングラスを置いてきたことを後悔しながらキャップのひさしを深くした。堤防上から広い河川敷を見渡すのは清々しかった。ヒバリの声が良く響き、ヘリコプターのホバリングのように飛んでいる姿をコースの至る所で目にした(他にもカッコウ、ウグイス、キジなども!)。

 今回はレース序盤からコマメに補給食を摂ってみた。今まで前半は給水のみで走っていたのだが、いつもとは違うことをやってみたかっただけのことである。
 5km毎のラップタイムが速すぎるのを気にしながら30kmまでは無理に抑えなくてもイイだろうと思いながら走り続けたのだ。

 30kmを通過。ここで残り70kmをイーブンペースで走り切れるペースに落とすのがワタクシのセオリーだ。徐々にペースダウンを意識するが、多くのランナーが陥るオーバーペースという罠に「分かっていながら」ズルズルと吸い寄せられて行くことに‥

 ダメージが少なかったし、アキレス腱の違和感も感じなくなっていた。そんなせいだろうか、自己ベスト更新という誘惑に‥冷静にトレーニング量とコンディションを考えればペースダウンしなくてはいけなかったのだが、頭の片隅に

「狙ったレースでは無いから潰れたらそれはそれで‥」

「コースが平坦で後半も負担が少ない‥」

「50kmからペースダウンしても‥」

っと、都合の良いことばかりを考えてしまった。

 オーバーペースだと感じながらもズルズルと走り続けていたが、しっぺ返しは意外に早く訪れた。

 40km手前から左股関節に痛みが!一歩一歩接地の度に痛みが出る!

 この種の痛みは厄介なことが多い。経験的にフィニッシュするまでずっと痛み続けることが多いタイプの痛みである。

 トレーニング量が不充分なので

「関節が負荷に耐えられなかったのか?」

などと思ったが、すぐに

「フォームにも一因があるハズだ!」

っと考えて、フォームチェック!

 すると、微妙に左足接地の時に体重を乗せきれていないように感じた。つまり片脚立ちの体勢の際に内側に倒れるようにバランスを崩していたのだ。本当に微妙なことだが、普段からフォームに気を付けているから感じ取れたのかもしれない。バランスを取り直した走りに切り替えると‥これがビックリ!股関節の痛みが軽減して1km程で感じなくなったのだ!

 大きな収穫である。痛みの原因は体力不足だと決めつけてはいけないと改めて体感できた(関節というモノはしっかりと骨頭と関節窩が向き合う方向の力には強いのだろうか?関節を取り囲む軟部組織への負担も一部分に集中しないだろうし‥)。

 しかし、これは幸か不幸かオーバーペースを助長する要因にもなってしまった。一時的に落ちてきたペースをまた上げてしまったのである。

 こんな具合で47km過ぎのレストステーションへ到着すると‥

 ドロップバックがなかなか運ばれてこない!

「イチ、ゼロ、ヨン、キュー!」

「イチ、ゼロ、ヨン、キュー!」

っと繰り返し叫びながらウロウロしているとボランティアさんがようやく袋を手にして(もたもた)歩いて来て下さったが‥まぁ、30~40秒はかかっていただろう。ウルトラでは気にするタイムではないけれど、混雑していた訳では無いのにネ‥
「ボランティアさん、頑張れ!」
  (*^◇^*)

 ドロップバックからオシボリを出して顔と腕を拭いてリフレッシュ。補給食を背中のポケットに入れると給水だけしてコースへ飛び出してしまった。ロスを気にしていたので補給食を摂らなかったが‥結果的にはエネルギー切れしなかったので影響は無かったようだ‥

 しかし、些細なタイムロスでカリカリしていて冷静さを欠いていたのは確かだろう。

「50km過ぎてから‥」

という考えが完全にブッ飛んでしまった。体調と残りの距離とを天秤にかけなくてはいけないのにレースに集中できていなかった。

 50km通過。まだ半分である。なのに実力以上のペースのままで走っていた。ペースは自然に落ちて行くだろうとも思っていたのだが、意に反して脚は回り続けた。そして当然のごとくその時が来る。脚のダメージをガッチリと自覚する時が来たのだ。

 60kmを過ぎた所で「分かっていながら」のしっぺ返しに襲われたのだが、意外と平静だった。

 来るべき時が来ただけだった。大きくペースを落として徒歩も交えて体を観察した。両股関節周囲に痛みがあるが筋肉痛や筋肉のハリ感は無い。つまり乳酸を溜め込んではいないので筋収縮は続けられる状態だ。股関節周囲の軟部組織のダメージだろう。大腿筋膜張筋にも負担がかかっているようだが腸脛靭帯は大丈夫。

「この状態でサブ10を達成するには?」

残り時間とペース配分を考えるが‥痛みがある限りまともには走れない。股関節の負担を極力少なくするようにフォームを見直しながらスロージョグ‥まともに走れないので、ここでポケットに入れた補給食をしっかりと摂った。カロリーメイト(ブロック)4本を水無しで!?ゆっくりだからこそ出来ることだった。

 痛みを感じながらも負担の少ないフォームを探る。あれこれと試行錯誤しているうちに痛みが軽減してきたが、すぐにはペースアップしない。

「残り20kmからならイケるだろう」

経験的にそう感じた。ここではダメージを溜めるべきではないと考えながら、残り時間を計算しスロージョグを続けた。

 そして80km。ラスト20km地点を通過する。

「5km-30分~32分でイケルだろう」

 フォームに注意しながらペースアップ。そして色んなことを考えていた‥

 facebook やブログなどで様々な思いで走っているランナーの方々。一度も会ったことは無いのだが、熱い思いのランナーがいることを知っている。また、今現在、一緒にこの大会に挑戦しているランナーの中にも熱く大きな思いを持って走っている方がいることも知っている。それ以外にも大勢のランナーが真摯に走ることに向かい合っているのは確かである‥

 では、ワタクシ自身、どうだろうか?今この瞬間、どんな思いではしっているのだろうか?

 そんなことを考えながら走っていると、自然と一歩一歩を丁寧に集中して走り、全身の繊細な動きにも敏感になっていた。不思議と股関節の痛みは消えて脚も回り始めていた。

 胸が更に熱くなり、涙が溢れて来た。そして感謝。今、こうして走っていられることや、肉体的に辛い目に合っていることや、大会に出場していること‥ありとあらゆることが有り難く思えた。いつの間にか、頭の中で「ロッキーのテーマ」♪が響いていた。更に涙が‥得体の知れない不思議な力が背中を押してくれているように感じた。ペースが上がる。そして今度は、「アイ・オブ・ザ・タイガー」♪が‥もうイントロで顔をクシャクシャにするほど涙が流れてしまった。ウエストに挟んだハンドタオルで涙を拭いていると、沿道の方から

「頑張れ!」

の声援が!有り難い!けれどもこのタイミングでの応援って‥涙腺崩壊‥

  。・゜゜・( ̄◇ ̄°*) ・゜゜・。

 

 残りの距離と時間とを計算すると、サブ10がみえてきた。今回はハッキリ言って失敗レース。しかし、60kmで潰れてからの立て直しは自画自賛したいほど巧くいっていた。

「このままフィニッシュしたい!」

 ♪「ロッキーのテーマ」と♪「アイ・オブ・ザ・タイガー」は相変わらず頭の中で繰り返されていたが、感情の興奮は治まっていた。

 また、ラスト10km付近で職場の方が応援に来てくださることになっていたのだが、幸い予定通りの時間で通過することが出来たので、やれやれと一安心。

  (*^_^*)

 ラスト10kmを切るとやはり股関節周辺にダメージを感じた。ただ筋肉痛は無い。これも収穫の一つだ。フィニッシュが近づくにつれ今回のレースの反省点を確認し、“サロマ”へどう反映するかを考えていた。

 少々ペースダウンしてしまったが、ラスト200mほどはスパート出来て、9時間48分でフィニッシュ!結果的には、自己ベストに24分及ばなかったが、レース前に予定したタイムより2分速く完走出来た!

 失敗レースながらも「サブ10」を達成出来たのは大きな自信になった。色んな点で、収穫の多いレースにすることが出来たのでタイムは別にして満足度の高いレースであった。

 50歳になって初めてのレースを無事に終えることが出来たことに感謝します。そして何よりも、大会関係者の方々、一緒に走った選手の方々、沿道で応援して下さった方々、そして熱い思いで走っているランナーの方々、終盤ワタクシの背中を押して下さった皆さんの思いに感謝してお礼を申し上げます。

 有り難うございました。


↓↓↓ランフォト2.0より↓↓↓

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